トリガーポイントとは?痛みの原因が「痛い場所」とは限らない理由

肩がこる。腰が痛い。頭が重い。身体に痛みや不調があると、多くの方は「痛い場所に原因がある」と考えます。

肩が痛ければ肩を揉む、腰が痛ければ腰に湿布を貼る。頭が痛ければ頭や首を押してみる。

もちろん、それで楽になることもあります。でも中には、「その場では少し楽になるけれど、すぐに戻ってしまう」という方もいます。

そのような慢性的な痛みやこりでは、痛い場所だけを見ても原因が見つからないことがあります。そこで知っておきたいのが「トリガーポイント」という考え方です。

トリガーポイントとは?

トリガーポイントとは、痛みの引き金になっている場所のことです。

名前の通り、トリガーは「引き金」という意味です。身体のどこかに負担がかかり続けると、筋肉や筋膜の一部が硬くなり、痛みを出しやすいポイントができることがあります。

これがトリガーポイントです。

わかりやすく言うと、身体の中にできた「痛みのスイッチ」のようなものです。そのスイッチが入ることで、こり、重だるさ、痛み、動かしにくさなどが出ることがあります。

特徴的なのは、トリガーポイントがある場所と、実際に痛みを感じる場所が違うことがある点です。

筋膜・ファシアとは?

ここで少しだけ、筋膜やファシアについて触れておきます。

筋膜とは、筋肉を包んでいる薄い膜のような組織です。筋肉はバラバラに存在しているのではなく、この膜によって包まれ、隣の筋肉や他の組織とつながっています。

最近では、筋膜だけでなく、身体の中のさまざまな組織を包み、つないでいるものを「ファシア」と呼ぶことがあります。

少し難しく聞こえるかもしれませんが、イメージとしては、身体の中にある「全身をつなぐ薄いネット」のようなものです。

このネットがなめらかに動いていると、身体は動かしやすくなります。しかし、長時間同じ姿勢が続いたり、同じ場所に負担がかかったりすると、その一部が硬くなったり、動きにくくなったりします。

その結果、こりや痛み、つっぱり感、重だるさにつながることがあります。

関連痛とは?

トリガーポイントで大切なのが「関連痛」という考え方です。

関連痛とは、原因となる場所とは離れたところに痛みを感じることです。

たとえば、首のこりが頭痛のように感じられる。肩甲骨まわりのこりが腕のだるさにつながる。お尻のこりが太ももやふくらはぎの痛みのように感じられる。

このようなことがあります。

患者さんの中には、施術中にある場所を押したり鍼で刺激したりしたときに、「そこを触られているのに、いつもの痛い場所に響きます」と感じる方がいます。

これは、身体の中で痛みがつながって感じられているためです。

なぜトリガーポイントができるのか

トリガーポイントは、特別な人だけにできるものではありません。日常生活の積み重ねでできることがあります。

たとえば、次のようなことが関係します。

  • 長時間のデスクワーク
  • スマートフォンを見る姿勢
  • 運動不足
  • 同じ動作の繰り返し
  • 急な運動や無理な動き
  • 睡眠不足
  • 冷え
  • ストレス
  • 呼吸の浅さ
  • 過去のケガ

特に現代では、首が前にでる姿勢、背中が丸くなる姿勢、肩に力が入った状態が続きやすくなっています。

その状態が続くと、筋肉や筋膜が休みにくくなり、血流も悪くなりやすくなります。その結果、身体の一部に負担がたまり、痛みのスイッチが入りやすくなります。

肩こりや腰痛とトリガーポイント

肩こりや腰痛は、多くの方が経験する身近な不調です。

ただ、同じ肩こりでも、原因は人によって違います。

首の後ろが硬くなっている方もいれば、肩甲骨の動きが悪い方、胸の前が縮こまっている方、噛み締めや目の疲れが関係している方もいます。

腰痛も同じです。

腰そのものに負担がかかっている方もいれば、お尻や股関節まわりの硬さが腰に影響している方もいます。

だからこそ、痛い場所だけを見るのではなく、身体全体のつながりを見ていくことが大切です。

マッサージしてもすぐ戻るのはなぜ?

肩や腰がつらいとき、揉んでもらうと楽になることがあります。でも、次の日や数日後にはまた戻ってしまう。

そのような経験がある方も多いと思います。

これは、痛い場所だけを緩めても、そこに負担がかかる原因が残っているからかもしれません。

たとえば、肩を揉んでも、首が前に出る姿勢や、胸まわりの硬さが残っていれば、また肩に負担がかかります。

腰を揉んでも、股関節が硬かったり、お尻の筋肉がうまく使えていなかったりすると、また腰に負担が集まります。

一時的に楽になることと、痛みを繰り返しにくくすることは少し違います。

トリガーポイント治療では、「今痛い場所」だけでなく、「なぜそこに負担が集まっているのか」を考えていきます。

鍼(はり)ではどのように見るのか

鍼では、痛みが出ている場所だけでなく、周りの筋肉や筋膜、姿勢、動き方、生活習慣なども確認します。

どこに負担がたまっているのか。どの動きで痛みが出るのか。どの場所を刺激すると、いつもの痛みに響くのか。

そうした反応を見ながら、身体の状態を判断していきます。

では、手では届きにくい深い部分に刺激を入れられることがあります。そのため、奥の方にあるこりや、押しても届きにくい痛みに対して、選択肢のひとつになる場合があります。

ただし、どんな痛みでも鍼灸だけで対応できるわけではありません。

強いしびれがある。力が入りにくい。発熱がある。転倒や事故の後から強く痛む。今までにない激しい頭痛がある。

このような場合は、まず医療機関を受診することが大切です。

TRIGGER鍼灸院でできること

トリガーポイントとは、痛みの引き金となっている場所のことです。

筋肉や筋膜、ファシアと呼ばれる身体のつながりの中で、痛みや重だるさに関係することがあります。

特徴は、痛い場所と原因となる場所が違うことがある点です。

肩こり、腰痛、頭痛、足の痛みなどで、痛い場所だけをケアしてもすぐ戻ってしまう場合は、身体全体のつながりを見直すことが大切です。

TRIGGER鍼灸院では、痛みのある場所だけではなく、身体全体のつながりを確認しながら、一人ひとりの状態に合わせた施術を行っています。

「痛い場所をケアしているのに変わらない」「検査では異常がないと言われたけれど不調が続いている」そのような方は、トリガーポイントという視点から身体を見直してみることも選択肢のひとつです。

 

監修者情報

大島 景太

小池 謙雅(こいけ けんや)

TRIGGER鍼灸院 代表

TRIGGER鍼灸院グループ代表。
鍼灸師・柔道整復師の国家資格を活かし、病院からJリーグメディカルチームまで幅広い臨床経験をもつ。
整形外科疾患・術後のリハビリから慢性痛、スポーツ障害まで、機能改善に特化した施術・指導に従事。
「根本からの改善」にこだわった実践的アプローチを展開し、業界内でも支持を集めている。
現在は施術者育成にも力を入れており、再現性と結果を両立させた施術法の普及を進めている。

保有資格:
はり師、きゅう師、柔道整復師

業界歴:
業歴20年・のべ8万人以上の方への施術実績。
酵身堂接骨院
小林病院リハビリテーション科
(有)アスレチックステーション
鹿島アントラーズFCトップチームトレーナー 2007~2012(6シーズン)
ザスパ群馬 メディカルアドバイザー 2020~2021

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